歴史

1  北海道十勝新聞教育研究会の発足
 北海道十勝新聞教育研究会が発足したのは、平成2年7月14日である。それまで、個々に点として新聞活用や新聞づくりの指導をしていた教師たちが集い、研究会設立準備会を立ち上げ、発足に導いた。発足当初39名(現在70名)
発足当初、活動の基本として、①授業実践を大切にする ②先行研究に学ぶ ③会員個々の実践を互いに交流し合う、と確認された。これらは、今日も日々の研究実践のなかに脈々と息づいている。発足後まもなく、「線から面へ」を合言葉に活動を拡大、今日の礎を築いた。
 また、本会の発足にあたっては、地元の十勝毎日新聞社の支援・援助が多大な支えとなった。活動が初期から順調に軌道に乗れたのは、こうした外からの支えがあったればこそのことである。
 一方、かって十勝新聞教育研究会に所属した退職者による「十勝新聞教育研究会OB会」が組織されており、退職後も積極的に児童・生徒の「新聞づくり」等に関わっている。こうしたライフワークを十勝毎日新聞社が支援していることも本地域の特徴である。


2  研究のねらいの深化発展
 本会の発足の頃、新聞教育に対する会員の思いは様々であり、活字離れの憂慮、授業の活性化を目指す、新聞づくりに力を注ぎたいなどであった。前項①~③の三つの基本方針は、これらを総括的に組織化するために練られたものである。全国大会には発足年度より毎年会員を派遣し、可能な限り実践発表の場などをもらい、還流することに努力した。本会の年度毎の研究テーマは、原則的に全国大会の研究テーマを取り入れたが、併せて学習指導要領との整合性に留意した。
 平成7年度、本研究会発足6年目ではあるが第38回全国大会を主管。自己教育力が強くいわれた時であり、研究主題を「新聞で自ら学ぶ力をどう育てるか(子供の学習意欲を高める新聞教育のありかた)」と設定した。
 今回(第48回大会)は、「生きる力」の育みが強く要請されている時代であることを踏まえ、全新研本部とも協議の上、研究主題を「学習意欲を喚起し、生きる力を育てる新聞教育~分析、活用、発信を通して~」と設定した。
 また、本会では、授業に取り組みやすい研究のねらいを恒常的に意識化している。レベルを下げることなく、「いつでも」「どこでも」「だれでも」が授業公開し、共に学び合えるような研究のねらいと雰囲気の醸成を図ってきた。


3  NIE活動の充実
 本会を組織するために先頭に立った人々は、グローバル化におけるNIE活動に着目していた。発足以前の学習会では、十勝毎日新聞社より講義をもらい、平成当初期のNIEの課題やその後の発展を予測したプランをもっていた。本会が発足して間もなく十勝毎日新聞社ではNIE推進委員会を設置、地域の教育に重責を担った。その後、NIE活動を幅広く展開し、北海道NIE推進協議会とも連携を深めつつ、全道、全国的な視点に立った新聞教育を目指してきた。平成17年度、十勝・帯広では5校がNIE実践校指定を受けている。


4 北海道十勝新聞教育研究会の歩み(抜粋)
平成元年12月16日 NIEについて意見を聞く会
 ・小学校 渡邊(東小)小林(帯小)山田(花園)小野寺(啓西)陰元(芽室南)
 ・中学校 和田(一中)田崎(二中)斎藤(三中)斎藤(六中)林(一中)
 ・十勝毎日新聞社 河崎一郎 松田正夫 高橋幸彦


平成2年3月2日 十勝新聞教育同好会設立
 講話 林 光繁氏 NIEについて 河崎一郎氏
 実践交流学習会 (発表)【山田 和田】


平成2年6月23日 北海道十勝新聞教育研究会設立準備会設置
 代表 渡邊 委員 小林 山田 小野寺 陰元 和田 田崎 斎藤 斎藤 後出


○ 平成2年度
 7月24日 北海道十勝新聞教育研究会設立総会 (初代会長 玉川正雄)
        記念講演 日本新聞協会NIEコーディネーター 妹尾 彰氏
 8月    茨城県水戸大会に派遣(2名) 【麓 小野寺】
 9月    広報『十勝新聞教育』創刊号発行
12月    研究実践交流会 (発表)【斎藤 井上 菊地 麓 西出 小野寺】
 3月    研究紀要創刊号発行


○ 平成3年度
 5月    時局講演会『湾岸戦争後の十勝経済』日経BP社総務局長 右谷亮次氏
 6月    全国新聞教育研究協議会に加盟
 8月    三重県伊勢大会に派遣(3名) 【渡辺 斎藤 井上】
 9月    北海道初の新聞活用による授業実践交流会(小学校)
       (授業)【山谷・小野寺・松岡<啓西小>】
10月    授業実践交流会(中学校) (授業)【麓<四中>】
11月    NIE特別講演会 東京大学教授 高木教典氏
                  NHK編集局長 山香芳隆氏
 2月 実践交流会
      (発表)【玉川 木戸 山田 山谷 小野寺 福井 井上 斎藤 田崎 麓 堀】


○ 平成4年度 (第二代会長 末広雅穂) 十勝毎日新聞社NIE推進委員会設置
 5月    講演会『子供たちから学んだ感動体験』十勝教育研究所長 横山一男氏
 7月    千葉県柏大会に派遣(会員3名 OB1名)
       全新研「斎藤義一賞」【玉川】  【山谷 田崎 小野寺(提言)】【玉川】
11月    NIE特別教育講演会『情報化社会と教育改革』
       生涯学習センター所長 新谷政一氏
12月    実践交流会 (発表)【若山 小野寺 陰元 山谷 斎藤】
 2月    授業実践交流会 (授業)【橋場・竹中<花園小>】【麓・清水<八中>】


○ 平成5年度
 8月    愛知県豊橋大会に派遣(3名) 【末広 竹中 若山(提言)】
10月    臨時総会開催 第38回全国大会帯広開催を決定
       NIE特別講演会『小・中・高での情報処理の教え方』
       東京大学社会情報研究所長 田崎篤郎氏
11月    授業実践交流会 (授業)【井上<豊頃中>】


○ 平成6年度
 8月    東京大会に派遣(8名)
       【福井 三上 久保 山田 陰元 舟越 中村 西岡(提言)】
12月    パイロット指定校授業研 (授業)【舟越<花園小>】


○ 平成7年度
 7月    全新研帯広大会事前授業研
   (授業)【竹中・笹木・小林<花園小> 中村<鹿追中>】
 7月    第38回全国新聞教育研究大会北海道・帯広大会
       記念講演 十勝毎日新聞社社長 林 光繁氏
       兼 十勝新聞教育研究大会
        (授業)【竹中・笹木・小林<花園小> 中村<鹿追中>】
        (発表)【山下 山田 加瀬谷 佐々木 萩原(P)】
        全新研功労賞【末広 小野寺】
10月    臨時総会 (第三代会長 福井正寿)
 2月    実践交流会 (発表)【石井 小泉 小澤 後藤】
 2月    方面別交流会 東部・東北部(池田) 南部(更別) 北部(音更)


○ 平成8年度
 5月    方面別交流会 市部(大空中)
 6月    十勝新聞教育研究会OB会発足(幹事 三上朝次郎氏 佐藤 勲氏)
 8月    岩手県盛岡大会に派遣(7名)
        【福井 大沼 森田 長尾 山谷 斎藤(提言) 陰元(助言)】
11月    第7回十勝新聞教育研究大会を初の集約大会形式で開催(大樹大会)
       (授業)【舟越<大樹小> 板垣<大樹中>】
       (発表)【早川 陰元 野上 森田 寺島】
11月    方面別交流会 西部(新得) (授業)【野上<新得中>】
 2月    第1回全十勝小中学生新聞スクラップコンクール


○ 平成9年度
11月    東京都世田谷大会に派遣(6名)
       【福井 中山 武田 若山 山谷 野上(提言)】
       全新研功労賞【斎藤】
11月    第8回十勝新聞教育研究大会 新得大会
       (授業)【鈴木〈新得小〉 〈新得中〉】
       (発表)【長尾 川上 阿部 佐藤】


○ 平成10年度
11月    東京都台東大会に派遣(5名) 【吉田 遠藤 佐藤 早川 中村(提言)】
       全新研功労賞【麓 中山】
12月    第9回十勝新聞教育研究大会 芽室大会
      (授業)【清水・山田<芽室小> 山崎・野上<芽室中> 中村・遠藤<芽室西中>】
      (発表)【橋本 相馬 佐藤 村上】


○ 平成11年度 (第四代会長 吉田輝雄)
 5月   十勝新聞教育研究会OB会(初代会長 渡辺貞治郎氏)
 8月   山形県鶴岡大会に派遣(会員4名 OB1名) 【陰元 木戸 後藤 阿部(提言)】【山谷】
      全新研功労賞【福井 山谷】
12月   第10回十勝新聞教育研究大会 帯広記念大会及び10周年式典
     (授業)【早川・森谷<森の里小> 後藤<二中>】
     (発表)【伊賀 渡会 山崎 嘉藤 田口】
     十新研10周年記念誌発行
     10周年功労賞
      【玉川 末広 福井 渡邊 井上 小野寺 斎藤 麓 中山 山田 山谷】


○ 平成12年度
10月   OB会新聞づくり出前授業開始
11月   神奈川県横須賀大会に派遣(会員4名 OB7名)
      【若山 松岡 野上 坂田】【渡辺 福井 斎藤 佐藤 井上 小野寺 山谷】
12月   第11回十勝新聞教育研究大会 音更大会
     (授業)【阿部<木野東小> 坂田・東<音更中>】
     (発表)【丸谷 佐藤 上田 遠藤 杉野】


○ 平成13年度 (第五代会長 若山茂樹)
 8月   神奈川県箱根大会に派遣(3名 OB1名)
      【佐々木(司会) 陰元 長尾(提言)】【吉田】
      全新研功労賞【吉田】
12月   第12回十勝新聞教育研究大会 幕別大会
      (授業)【山崎&黒沼<古舞小> 長尾<糠内中>】 (発表)【山崎 後藤】


○ 平成14年度
 7月   大阪府大阪大会に派遣(2名) 【森田(提言) 森(記録)】
 8月   全国NIE札幌大会に派遣(5名 OB1名)
      【早川 阿部 森谷 吉藤(提言) 若山(助言)】【吉田】
10月   第13回十勝新聞教育研究大会 豊頃大会
      (授業)【阿部<茂岩小>】 (講師)【加瀬谷】
12月   実践発表会 (発表)【吉藤 森田】
 2月   第1回帯広十勝NIEセミナー
      (発表)【平岡 後藤 加瀬谷 山形 若山(報告)】


○ 平成15年度
 7月   全国NIE松江大会に派遣(1名 OB1名) 【相馬】【吉田】
 8月   福岡県北九州大会に派遣(3名) 【若山 森谷 早川(模擬授業)】
10月   第14回十勝新聞教育研究大会 帯広大会
      (授業)【森田<五中>】 (講師)【平岡】
 2月   第2回十勝帯広NIEセミナー
      (発表)【橋本 石川 佐々木 田口 吉田(提言)】


○ 平成16年度
 8月   全国NIE新潟大会に派遣(1名 OB1名) 【板垣】【吉田】
 8月   茨城県水戸大会に派遣(7名)
      【若山 松岡 平岡 中村 竹内 橋本(提言) 森田(司会)】
10月   第15回十勝新聞教育研究大会 鹿追大会
      (授業)【中村・佐々木<鹿追中>】 (講師)【田村 香山】
 2月   第3回十勝帯広NIEセミナー
      (発表)【橋本 高橋 田口 北崎 日下部(提言)】


○ 平成17年度
 7月   全国NIE鹿児島大会に派遣(1名) 【乙戸】
 8月   第48回全国新聞教育研究大会北海道 十勝・帯広大会
      記念講演 川西農業協同組合組合長 有塚利宣氏
      兼 第16回十勝新聞教育研究大会
      (授業)【平岡<柏小> 阿部<茂岩小> 橋本<緑丘小> 芽登小教職員<芽登小> 中村<鹿追中> 板垣<大空中>】
      (発表)【相馬 福留 田口 森谷 石川 北崎 加瀬谷(講師)】
 9月   臨時総会 (第六代会長 松岡正行)
 2月   第4回十勝帯広NIEセミナー (発表)【池田 鎌田 田村】


○ 平成18年度
 7月   全国NIE水戸大会に派遣(野上・野澤・若山)
 8月   神奈川県秦野大会に派遣(会員4名 OB1名)
      (松岡〈助言〉・森田・相馬・池田〈発表〉)(若山)
      全新研功労賞〈若山〉
 8月   全国教育研究連合会 教育研究表彰〈若山〉
12月   第17回十勝新聞教育研究大会 幕別大会
      (授業)【相馬・大宮<札内北小>】 (講師)【遠藤〈音更中〉】
 2月  第5回十勝帯広NIEセミナー 発表(佐藤 森 尾崎 沖野 平井)


○ 平成19年度
 4月   OB会(第二代会長 末広雅穂氏)
 7月   全国NIE岡山大会に派遣(有岡)
 8月   全新研50回記念大会東京葛飾大会(会員6名 OB6名)
      (松岡・舟越・早川・大宮〈発表〉・氷見・森田)
      (齊藤・山谷・佐藤・佐々木・小野寺・若山)
      全新研功労賞〈佐々木〉
10月   第18回十勝新聞教育研究大会 音更大会
     (授業)【氷見〈下士幌小〉】 (講師)【中村〈御影中〉】
 2月   第6回NIE帯広・十勝セミナー
      発表(橋本 乙戸 高橋 佐々木)


○ 平成20年度 (第七代会長 舟越洋二)
 7月   第12回全国NIE高知大会に派遣(橋本)
 8月   第51回全新研京都大会に派遣(会員3名 OB1名)
      (舟越〈助言〉・阿部・乙戸〈発表〉)(若山)
      全新研功労賞〈松岡〉
10月   第19回十勝新聞教育研究大会 更別大会
      (授業)【長尾〈更別中央中〉】 (講師)【阿部〈豊頃小〉】
 2月   第7回NIE帯広・十勝セミナー
      発表(山田・森谷・大泉・上村)


○ 平成21年度